歯周病の分類
30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われる歯周病。細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき（歯肉）や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。歯周病の原因は ①汚れ（細菌）②生活習慣 ③喫煙 ④かみ合わせや歯ぎしり ⑤全身的要因があります。もっとも多いのは①の汚れです。この汚れの中に細菌が繁殖し歯周病を引き起こします。歯周病になると口臭があります。汚れに良く臭いと出血による血の臭いと膿の臭いです。この臭いは他人は気づきやすく自分には気づき難い傾向があります。しかも、ある程度進行しないと痛みを伴うことがないため、気づかないうちに進行してしまっていることも少なくありません。そうなる前に、早期発見、早期治療で痛みの少ない歯科治療にしていきましょう。
軽度歯周病（歯肉炎・歯周炎）の場合
～歯周基本治療（歯周検査とスケーリング）～
歯周病の原因となる歯石は、歯垢（プラーク）が石灰化して出来ているため、日常の歯みがきだけでは落とすことが出来ません。プロの歯科衛生士がスケーラーという専用の器具を用いて、歯石や歯垢を除去するスケーリングを行い、口の中を徹底的にキレイにしていきます。スケーリングを行うことで歯がキレイになるだけでなく、歯周病の発生・進行・悪化を抑制し、予防効果もあります。
中度歯周病（歯周炎）の場合
～ルートプレーニング～
中度まで進行してしまった歯周病には、スケーリングに加えてルートプレーニングという治療も行います。スケーリングだけでは除去出来ないような歯周ポケットの奥、隠れて見えない歯の根（ルート）などについた歯肉縁下歯石や歯垢まで除去していきます。歯周病菌に感染された歯質なども除去するため、歯の表面がツルツルになり、歯石や歯垢などの再付着の予防にも効果を発揮します。
重度歯周病（歯周炎）の場合
～歯周外科治療、歯周組織再生療法～
スケーリングやルートプレーニングでは改善されないほど歯周病が重度の状態にまで進行してしまった場合は、歯周組織再生療法（GTR）などの外科的な処置を行い、溶けてしまった歯槽骨や痩せた歯ぐきの回復を行う必要があります。
